宅建登録講習(5問免除講習)について
宅地建物取引士試験では、本試験前に受講すると試験問題の一部(問46から問50までの5問分)が免除になる登録講習なるものがあります。
こちらについては、受講時点で宅地建物取引業に従事されている方のみを対象としているため、誰でも受講できる講習ではありませんが、受講資格を満たしている方であれば誰でも5問免除の機会を得ることが出来るという、国家試験ではめずらしい免除制度が導入されております。
ちなみに、同じような講習名で登録実務講習というのがありますが、こちらは試験合格後に受験地の都道府県知事に資格登録する上で必要となる講習であるため、登録講習とは別物になります。
少し話が逸れましたが、登録講習についての細かな受講条件や申し込み方法についてご紹介したいと思います。
登録講習の受講資格
冒頭で「宅地建物取引業に従事されている方」と書きましたが、具体的には以下の条件を満たす方となります。
1.勤務先の会社が宅地建物取引業者として登録していること
2.勤務先で従業者証明書が発行されていること
所属している会社が宅地建物取引業者として登録していれば、不動産業でなくても受講資格を満たすことが出来ますので、その辺は一度所属会社に確認をしてみてもイイかもしれません。
登録講習の内容
登録講習については、法令で50時間の学習と1時間の修了試験を行うよう定められておりますが、最低10時間は対面での授業を行うことが義務付けられてますので、実施機関のほとんどが約2ヶ月間の通信講座の後に、2日間(10時間)の対面授業を行うという方法を採用してます。
講義内容は宅建試験の出題範囲のうち約9割が該当しますので、試験対策の延長と考えてもらえれば良いかと思います。
登録講習の科目と時間目安
講習内容 | 講習時間 |
---|---|
宅地建物取引業法その他関係法令に関する科目 | 18時間 |
宅地及び建物の取引の係る紛争の防止に関する科目 | 12時間 |
土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関する科目 | 5時間 |
宅地及び建物の需給に関する科目 | 5時間 |
宅地及び建物の調査に関する科目 | 5時間 |
宅地及び建物の取引に係る税務に関する科目 | 5時間 |
合計 | 50時間 |
修了試験について
試験内容については、実施機関によって作成と採点が任されているので、受講する機関によって内容が異なってきます。
ただし、ほとんどの機関が4択マークシート方式で実施されており、問題数は20問程度となってます。
合格基準については70%以上の正解で合格としているところが多いようです。
登録講習の申し込みについて
登録講習については、国土交通大臣の登録を受けた機関にて実施しており、平成26年10月時点では19個の機関が登録されております。
申し込む際は、その登録されている機関に直接申し込むことになります。
登録講習が受講できる機関(平成26年10月時点)
登録番号 | 機関名 | 所在地・電話番号・ホームページ |
---|---|---|
001 | 公益財団法人 不動産流通近代化センター | <所在地> 東京都千代田区永田町1-11-30 サウスヒル永田町ビル8階 <TEL> 0120-775-715 <ホームページ> http://www.kindaika.jp/koshu/touroku/ |
002 | 株式会社 東京リーガルマインド | <所在地> 東京都中野区中野4-11-10 <TEL> 03-5913-6310 <ホームページ> http://www.lec-jp.com/takken/kouza/menjo/ |
003 | TAC 株式会社 | <所在地> 東京都千代田区三崎町3-2-18 <TEL> 0120-509-117 <ホームページ> http://www.tac-school.co.jp/kouza_takken/takken_tourokukou.html |
005 | 株式会社 住宅新報社 | <所在地> 東京都港区虎ノ門3-11-15 SVAX TTビル3階 <TEL> 0120-106-977 <ホームページ> http://www.takkengoukaku.tv/kouza/touroku_detail.php |
007 | アットホーム 株式会社 | <所在地> 東京都千代田区内幸町1-3-2 <TEL> 03-3580-7051 <ホームページ> http://study-athome.jp/touroku/index.html |
009 | 株式会社 総合資格 | <所在地> 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル23階 <TEL> 03-3340-3081 <ホームページ> http://hotei.shikaku.co.jp/takken_touroku/index.html |
012 | 株式会社 辰已法律研究所 | <所在地> 東京都新宿区高田馬場4-3-6 <TEL> 03-5348-5825 <ホームページ> http://www.tatsumi.co.jp/takken/index.html |
013 | 株式会社 日建学院 | <所在地> 東京都豊島区池袋2-38-2 COSMY I 5階 <TEL> 0120-243-229 <ホームページ> http://www.nik-g.com/course/takken01/about.html |
015 | 株式会社 日本ビジネス法研究所 | <所在地> 東京都千代田区神田須田町2-23-11 <TEL> 0120-188-509 <ホームページ> http://www.bho.co.jp/takken/touroku.html |
016 | 有限会社ユーノリカ(宅建ゼミナール) | <所在地> 愛知県名古屋市西区那古野2-18-17 フローレンスさくら名駅1・2階 <TEL> 052-561-7628 <ホームページ> http://www.takuzemi.com/toroku/toroku_top.htm |
017 | 株式会社 Kenビジネススクール | <所在地> 東京都新宿区西新宿6-12-7 ストーク新宿1階 <TEL> 03-5326-9294 <ホームページ> http://www.ken-bs.co.jp/index_touroku-kousyu.html |
018 | 株式会社 九州不動産専門学院 | <所在地> 福岡県福岡市中央区天神1-3-38 <TEL> 092-714-4131 <ホームページ> http://www.l-mate.net/tourokukousyuu.html |
019 | 一般財団法人 ハートステーション | <所在地> 神奈川県横浜市中区住吉町6-76-3 <TEL> 045-228-9063 <ホームページ> http://www.heart-station.jp/category/touroku/ |
020 | 一般社団法人 職能研修会 | <所在地> 神奈川県横浜市神奈川区台町12-1 グリーンテラス横浜1階 <TEL> 0120-963-253 <ホームページ> http://www.shokuno.jp/toroku_5tenmenjo |
021 | 学校法人 大原学園 | <所在地> 東京都千代田区西神田1-2-10 <TEL> 03-3292-6265 <ホームページ> http://www.o-hara.ac.jp/best/takken/jitsumukou/ |
022 | 株式会社 プライシングジャパン | <所在地> 埼玉県三郷市上口1-145 <TEL> 048-994-4356 <ホームページ> http://pricingjp.com/ |
023 | 株式会社 Social Bridge | <所在地> 大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル14階 <TEL> 06-6453-5432 <ホームページ> http://www.social-bridge.com/ |
024 | 一般財団法人 福島宅建サポートセンター | <所在地> 福島県郡山市長者1-3-7 <TEL> 0242-26-3122 <ホームページ> http://www.social-bridge.com/ |
025 | 学校法人 名古屋大原学園 | <所在地> 愛知県名古屋市中村区名駅3-20-8 <TEL> 052-582-7733 <ホームページ> http://www.ohara.ac.jp/ |
受講時期
受講時期に関する制限は特になく、実施機関により開講時期や回数が異なってきます。
ただし、宅建業者に勤務する新入社員の方が受講するケースが多く、それに合わせる形で、4月に申し込み、6月~7月で対面授業を受けるという日程で組まれているところが多いです。
受講費用について
受講費用については、実施機関によって異なってきますが、大体1~2万円の間あたりが相場となっております。
なお、宅建講座を展開している機関については、登録講習を受ければ更に割引しているところも多くあります。
登録講習を受けることによるメリット
登録講習の修了者証明書が交付されると、3年以内の宅建士試験にて問46~50の5問分が正解しているものとして計算されます。
ただし、その代わりではりますが、試験時間については10分短縮されます。
免除される科目(46問~50問)
- 宅地及び建物の需給に関する法令並びに実務に関する科目
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関する科目
ちなみに、登録講習を受けた方の試験合格率については、一般受験者よりも10%程高くなってますので、費用対効果としてはそれなりに高いと言えるでしょう。
点数を買っているようにも思えてしまいますが、まぁ、制度として成り立っているものなので、受講資格がある方で予算がある程度組める方は積極的に受講することをオススメします^^